市民の手で竹林を再生し里山をつくる 〜NPO法人日本の竹ファンクラブ・事務局 古江麻理子さん

横浜市内の公園にあった荒れた竹林を、地域住民が自ら手入れして再生することが活動のきっかけとなったという「NPO法人日本の竹ファンクラブ」。竹林保全と調査研究からスタートしたボランティア活動は、1999年の団体設立以後、神奈川県内に広く活動の場を広げました。また2009年には静岡県・伊豆の国市の竹林保全活動を開始し、2012年にNPO法人となって、地域の環境保全に貢献しています。同団体事務局の古江麻理子さんにお話を聞きました

Q.活動はどのようなきっかけで始まったのでしょうか?
A:活動が始まったきっかけは、都筑区の烏山公園にある竹林でした。当時は荒れていてゴミが廃棄されるなど、公園近くの住民や子どもたちにとって、危なく「行ってはいけない場所だったそうです。ここを何とかできないかと思った住民たちで活動団体が立ち上がり、今でも愛護会として活動しています。調べていくと日本各地にも同じような竹林の問題があることがわかりました。そこで有志が集まり「日本の竹林を元気にする」というテーマでの団体結成につながりました。

このように荒れた竹林が活動現場となる

Q.いまでは活動現場が広がっていますね。現在の活動について教えてください。
1999年に始まった活動も今年で14年目に入ります。当初は栽培技術・筍(たけのこ)料理・竹工芸・竹炭の4分野の研究会をつくり、地元の竹林整備に役立てていました。いまでは港北区にある「小机城址市民の森をはじめとした竹林の保全活動、荒れた竹林を持つ地権者の方に代わり手入れをする「里親制度」、竹林整備を担う人材を育てる「竹の学校」を企画運営しています。
「竹取協力隊」と名付けたボランティアは、現在横浜市内のほか中井町、愛川町、伊豆の国市の竹林にも行っています。

Q.活動者の養成講座や市民向けのイベントを積極的に行っていますか?
竹の基本知識や道具の使い方から学ぶことが出来る「竹の学校」を毎年開催しています。月1回、年間通して行う講座は人気があり、竹林管理の基礎から竹垣作りまで実習主体で学びます。神奈川県内だけではなく、これまでも愛知県や滋賀県から受講者が来ています。
竹灯籠まつりなどの地域で行うイベントには、会員以外にも一般の方にたくさん参加していただいています。灯籠の明かりが揺らめく夜の竹林は本当にきれいで、昨年からはフォトコンテストなども行い、年々大イベントになりつつあります。

適切な管理を行うと風景が一変する(横浜国際プール)

Q.会員数も増えてきています。活動への共感者を増やすために工夫していることはありますか?
会員数は、正会員から賛助会員まで含めると200を超えました。会員からの会費のほか、緑の募金を通じて企業の寄付も受けています。企業の社員が、子ども連れで活動参加することにもつながっています。また若い人たちに知ってもらうため、桐蔭大学のサービスラーニング(大学生の正規科目となる社会貢献型体験活動)実習生や、NPO法人アクションポート横浜を通して学生インターンを受け入れています。

Q.テーマを竹に絞った活動、その魅力は何でしょうか?
他の里山保全活動と同じように、自分の体を動かして一日の作業が終わったとき、その結果が目に見えます。竹は、女性でも1本を1人で伐ることが出来るので達成感があるのが魅力です。参加者年代も学生から80歳までと幅が広く、どなたでも一緒に活動が出来ます。
私自身、竹細工に興味があり「竹の学校」を受講したことがきっかけで、活動に魅せられました。のこぎりを使えなかった私が、今では間伐作業も行っています。手入れしたあと竹林の景色や風の流れが変わり、癒やされる場所に変化するのがとても感動的です。

間伐した竹で作った灯籠に灯がともり、幻想的な光景が広がる(小机城址)

Q.課題はありますか? また今後やってみたいと思うことは何でしょうか?
現在メーンで活動している方々が50〜60歳代です。若い世代の活動参加へのきっかけ作りや情報発信を工夫して、新しい活動参加者の裾野を広げられたらと思います。
小学生をターゲットにした「竹のコンサートを現在企画していますが、将来は竹林の中でもやってみたいと思っています。日常使う道具や材料として竹の有効利用を考えたり、筍を乾燥した保存食品の開発したりと、暮らしに役立つイベントなどを実践していけたらと考えています。

【プロフィール】
事務局 古江麻理子さん
神奈川県出身。2011年の「竹の学校」受講後に同団体入会。2011年から現職。事務全般を担当。

【関連リンク】
日本の竹ファンクラブ(公式サイト)
http://takefan.jp/index.html
新横浜の森に竹灯籠5000基〜小机城址市民の森竹灯籠祭り(港北経済新聞)
http://kohoku.keizai.biz/headline/726/
竹林をライトアップ〜横浜国際プールで恒例の竹灯籠まつり(港北経済新聞)
http://kohoku.keizai.biz/headline/708/
横浜・こどもの国で夜桜と竹灯籠4000基楽しむイベント開催へ(港北経済新聞)
http://kohoku.keizai.biz/headline/534/