都会で避難生活をする東北の子どもたちに大学生が学習支援~大学生ボランティアや図書カード、寄付を募集中~「とどろき学習室・よこはま学習室」代表の鈴木健大さん

 東日本大震災から2年。大震災や福島第一原発事故に伴い、神奈川県内で避難生活を送る中高生に、ボランティアの大学生らが学習支援をしているのが「とどろき学習室・よこはま学習室」(横浜市)。代表の鈴木健大さんに、設立主旨や活動内容、大学生ボランティア募集をはじめ、協力や呼びかけたいことについて話を聞きました。

――大学生たちによる、都会で避難生活を送る東北の子どもたちのための学習プロジェクトだそうですね。この活動を始めようと思ったきっかけと、団体の設立趣旨は?
 2011年3月末、「とどろきアリーナ避難所」(川崎市中原区)に衣類仕分けのボランティアとして訪ねたときに、避難所の中に子どもたちの勉強部屋をつくってあげたいと思ったのがきっかけです。
大学でプロジェクトを一緒にさせていただいている慶應義塾大学商学部の先生に相談し、先生の研究会に所属する大学生たちに毎週来てもらうことで、避難所の中で学習室を同4月末から始めることができました。避難所は閉鎖になりましたので、現在は武蔵小杉駅そばの小杉こども文化センターで「とどろき学習室」を、横浜駅近くの横浜市西区社会福祉協議会で「よこはま学習室」をそれぞれ週2回夜間2時間、無料で開催しています。
学習室では大学生ボランティアにより、東北の子どもたちに進学や学校授業補習の学習サポートの機会を創出するとともに、大学生と子どもたちとの「居場所」をつくり、子どもたちに「生きる力」や「将来の夢」を持ち続けてもらう機会を創出することを目的としています。

――現在、武蔵小杉と横浜で学習室を開かれているそうですが、そこに集まる子どもたちは、どんな子どもたちで、どんな勉強をしているのですか? また、教える大学生たちは、どんな学生たちですか?
 現在、「とどろき」と「よこはま」の両教室に、宮城県と福島県からの東北の子どもたち、小学2年生から高校3年生までの計29人が、横浜市、川崎市、横須賀市、都内から通ってきています。学校の宿題や期末テスト対策、受験勉強対策などを個別に対応しています。ボランティアの学生は慶應義塾大学を中心に、東京大、一橋大、横浜国立大、千葉大、専修大、神奈川大などから68人、2012年春に卒業した現在社会人が3人参加しています。この中には、2012年秋から大学に推薦合格した高校3年生たちもいます。

――普段の学習会以外に、夏休みなどに何かイベントなどを行っていますか? 行政との連携はありますか?
 子どもたちの楽しい思い出づくりや将来のことについて考える機会を創出するため、ピクニックやクリスマス会、中学3年生の高校合格祝い、ダンス部の開設、大学の文化祭に招待するなどの取り組みも行っています。
また、2012年8月には、宮城県東松島市にて子どもたちの学習支援を行いました。2期に分けて、計8日間、のべ約900人の小中学生たちに、仮設住宅集会所や小中学校等で、大学生メンバーが子どもたちに個別に学校の宿題対応や高校受験対策を行いました。

――教える大学生のボランティアを募集されているようですが、今困っていることはありますか? 寄付や協力集めについて呼び掛けたい事があれば、お知らせください。
 1点目は、学習室の案内がまだまだ多くの避難されている方々に行き届いていないことです。もしご近所に避難生活をされているご家族の方がいらっしゃいましたら、このような場があることをご紹介いただければと思います。
2点目は、子どもたちに問題集などを購入するためのお金や図書カードの寄付のご協力を引き続きお願いしたい。大学生の交通費、現地学習支援のための費用にも充てられたらと思っています。
3点目は、学習室に通う子どもたちは増え続けていることやできるだけマンツーマンの対応をしてあげたいことから、大学生ボランティアを継続して募集しています。

――今後の予定は? 将来、どんな活動をやっていきたいですか?
関東の高校生たちと連携して、学習室に通う中高生たちが自ら震災を捉えて行動ができ、被災地支援につながるような機会をつくり始めています。
また、高校や大学に私たちが直接出向き、震災を通じた体験を話し、関東の同世代の子どもたちに対して自らのあり方を問う出前授業も始めました。
全国に何十万人という避難生活を送る東北の子どもたちがいますので、各地で学習支援の取り組みが広がってくれるとうれしく思います。

◆鈴木健大さん
「とどろき学習室・よこはま学習室」代表。東京理科大学大学院理工学研究科建築学専攻修了。1995年4月から2012年3月 公社及び地方自治体勤務。2008年4月 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科後期博士課程入学。2011年4月 慶應義塾大学メディアデザイン研究所リサーチャー。 現在に至る。

【関連リンク】
▽「とどろき学習室・よこはま学習室」
http://g-edu.kmd.keio.ac.jp/todoroki_school/index.html
▽東北の子どもたちが都心の
新しいお兄さん・お姉さんをたくさん作ってくれれば。(かなチャリ)
https://kanachari.jp/10550.html
▽かわさきサポート基金「東北の子どもたちの学習支援室」
http://www.kawasakifund.jp/recruit.php?id=5