飢餓と貧困に苦しむ人々に食糧を届けるため、企業とのパートナーシップを深め、個人の寄付も増やしていきたい~認定NPO法人国連WFP協会・事務局長・横手仁美さん

 

 世界には、自然災害や紛争、貧困の連鎖などが原因で、飢餓に苦しむ人が8億7000万人以上いるといいます。そんな人々に食糧を届けるために支援活動をするのが、WFP 国連世界食糧計画(本部:ローマ)。そこを民間支援するのが、認定NPO法人国連WFP協会(横浜市西区)です。同NPO法人は、寄付を集めるための専門部門を持ち、企業・団体とのパートナーシップにも力を入れています。同NPO法人の理事で事務局長の横手仁美さんに、支援へのさまざまな取り組み、共感の広げ方などについて話を聞きました。

――まず、国連WFP協会について教えてください。
 国連WFP協会は、「飢餓と貧困の撲滅」を使命とするWFP国連世界食糧計画を応援する認定NPO法人で、日本におけるWFP国連世界食糧計画の民間支援の公式支援窓口です。1999年1月に設立され、2005年8月には認定NPO法人として認められ、当協会に寄せられる皆様からのご寄付は寄付金控除の対象になります。世界の飢餓問題やWFP国連世界食糧計画の食糧支援活動に対する情報発信を行い、多くの人が容易に参加できる支援の方法と機会を広く提供し、募金活動、企業・団体との連携を進め、日本における国連WFPの支援の輪を広げています。(※国連WFPは、WFP 国連世界食糧計画と国連WFP協会の総称。)

――世界の飢餓問題や国連WFPの食糧支援活動とは?  
 世界には、十分な食糧があるにもかかわらず、およそ8人に1人、計8億7000万人が飢餓に苦しんでいます。国連WFPは、飢餓と貧困の撲滅を使命に、自然災害や紛争の被災者、妊婦や授乳中の母親、栄養失調の子ども、遺児、病人、老人など最も貧しい暮らしを余儀なくされている人を対象に、毎年平均、75カ国以上で約1億人に食糧支援を行っています。国連WFPが最も力を注いでいるもののひとつに緊急食糧支援があります。国連WFPは、災害や紛争などで危機に瀕している地域に世界どこでも48時間以内に緊急支援を届けることを使命に活動しています。また「学校給食プログラム」を通じて、60カ国2000万人以上の子どもに、学校で栄養価の高い給食を提供し、発育を助けると同時に、教育の機会を広げています。


――国連WFP協会の緊急支援としてはどんな活動がありますか?
 近年の緊急支援の協力のお願いとしては、現在は終了しましたが、東日本大震災に対する支援活動(緊急募金の呼び掛けや企業から寄せられた食品や飲料を取りまとめて、国連WFPと連携して輸送する等)をはじめ、昨年12月にフィリピンを襲った台風24号の国連WFPによる被災者支援や内戦が長引くシリアでの緊急支援に対する寄付協力を呼び掛けています。

――国連WFPが横浜に拠点を置かれたいきさつと、横手事務局長が、国連WFP協会に勤務されるようになったきっかけは?
 1996年10月、国際都市である横浜市の誘致により、横浜市西区みなとみらいに国連WFPの事務所が開設されました。国連WFPの食糧支援活動に対し国民の関心が高まり、政府機関、企業、団体、個人からの支援・協力体制が一層拡充されることを目標としています。
 私は、今まで日系メーカーや外資系流通の民間企業で勤務してきましたが、社会貢献の方面に興味を持ち、就任直前の1年間は、さまざまなNPOやチャリティ団体の理事をボランティアで引き受けて活動してきました。ご縁があってこの仕事に出会い、2011年3月14日からこちらの仕事に着任。東日本大震災直後の就任だったので、即、会長とミーティングし、いきなり緊急支援のお願いを開始させるということから業務がスタートしたことを覚えています。

――活動報告書(2011年度)によると、企業・団体、個人から7億6000万円以上の寄付を集めていらっしゃいます。寄付を集めるための取り組み(成功事例や工夫点、課題)について教えてください。また、貴団体を支援したい人はどのような方法がありますか?
 企業でいう営業やマーケティングのような機能を持つ、専門の事業部があります。法人専任の担当者や、個人支援者専任でオンライン上のファンドレイジングやDMを担当する職員もいます。私どもへの寄付や協力をいただくためには、以下のような方法があります。

ザンビアの女子生徒が国連WFPの給食を食べる様子

◆個人の皆様には、定額引き落としによる「毎月の寄付」(WFPマンスリー募金)▽随時1回ごとの「今回の寄付」▽会員として支える(賛助会員)等。
◆企業・団体の皆様には、商品の売り上げからの寄付▽社内募金など従業員の参加による寄付▽ポイント寄付や株主優待等。

 その他、飢餓について考えるきっかけを持っていただいたり、気軽に寄付をしていただいたりするために、「学校給食プログラム」支援拡大を目的とする「レッドカップキャンペーン」、チャリティイベント「WFPウォーク・ザ・ワールド」、「WFPエッセイコンテスト」など実施しています。「レッドカップキャンペーン」は、日清食品様や中村屋様など8社が協力。ファミリーマートさんや日本ケンタッキー・フライド・チキンさんなどには、店頭に募金箱を置き、全国規模の募金活動を展開いただいています。

――今後の予定は? どんな活動に取り組んでいきたいと思っていますか?
 今後も、企業・団体とのパートナーシップを増やし、関係を深めつつ、個人の皆様のご寄付も増やしていきたい。そのためには、国連WFPの露出の機会を増やし、オンライン上の寄付集めなど、時代の変化に応じた効果的な寄付の仕組みを検討していきたい。ACジャパンによる公共広告のキャンペーンも2013年度も続きますので、それを通じて認知度をもっとアップさせ、ダイレクトメール、オンライン・ファンドレイジングなどにも力を注いでいきたい。
今年6月に「第5回アフリカ開発会議」(TICAD V)が横浜で開催されますが、それに向けて、横浜市はアフリカ応援キャンペーン「ヨコハマfor アフリカ」を展開します。

 同キャンペーンでは、市内の店舗や飲食店等に、売り上げの一部が寄付となる商品の販売や募金箱の設置を行っていただく「レッドカップ for アフリカ」キャンペーンも企画しており、寄せられた寄付金は国連WFPの学校給食プログラムに役立てられます。TICADをきっかけに、アフリカ支援の機運が高まることを期待しています。

◆横手仁美氏プロフィル
上智大学外国語学部卒、慶応義塾大学大学院(経営学修士)卒。ソニー、日本トイザらス(執行役員)を経て、2011年3月14日から国連WFP協会事務局長就任。

【関連リンク】
▽国連WFP
http://www.wfp.org/jp
▽「RED CUP CAMPAIGN(レッドカップキャンペーン)」
http://www.redcup.jp/
▽NPO法人国連WFP協会が、途上国の子どもたちへの学校給食支援「レッドカップキャンペーン」への協力(寄付)を呼びかけ(かなチャリ)
https://kanachari.jp/blog/11067.html
▽「第5回アフリカ開発会議(TICAD 5)」(横浜市文化観光局)
http://www.city.yokohama.lg.jp/bunka/kancon/info/africa/