アートを軸に人がつながり、住みやすい街を・認定NPO法人 黄金町エリアマネジメントセンター

アートによるまちづくり

「たくさんの人と連携し、歩み寄りあい、住みやすい街を一緒に作っていく」立石沙織さんのこの言葉に、街作りにかける強い意志を感じた。
今回は2009年に設立されたNPO法人「黄金町エリアマネジメントセンター」(横浜市中区日ノ出町2)で活動する、立石沙織さんと植田かほるさんにお話を聞いた。

アートによるまちづくり

横浜市中区黄金町はかつて、違法風俗店舗が立ち並ぶ街だった。京浜急行電鉄黄金町駅周辺、大岡川沿いの高架下などにひしめいていた店舗は、2002年から2005年にかけて行われた一斉摘発などによってすべて閉店した。

その後、この店の跡を活用して街を再生しようとさまざまな模索が展開された。その軸として注目されたコンセプトが、地域・行政・大学・アーティストが連携する「アートによるまちづくり」だ。2009年4月には、持続可能なまちづくりを目指して「黄金町エリアマネジメントセンター」が設立された。

なぜ、アートを街の再生の中心に据えたのだろうか。理由のひとつに建物の構造が特異的であることがあげられる。もともと違法風俗店舗が入っていた建物は、間口一軒のとても狭い建物で活用が難しかった。

しかしアーティストなら、作品の制作場所として建物をうまく活用できるのではないかと考え、アートを取り入れたまちづくりが始動した。

アーティストを呼び込むために

黄金町エリアマネジメントセンターでは2009年から「アーティスト・イン・レジデンス」というプログラムを実施している。これは国内外のアーティストたちに活動と交流の場を提供し、アーティストのステップアップにつなげようという取り組みだ。

これまでは黄金町での滞在制作と作品発表が主だったが、2017年3月は新たに販売の要素を加え、展覧会を実施する。

地域とアーティスト

アーティストが黄金町で活動し自立することは、街の活性化にも大きくつながっている。毎月第2日曜日に黄金町エリアで行われる「のきさきアートフェア」は、地域の人やアーティストが一丸となって作り上げるイベントだ。作品販売に加え、ものづくり体験のコーナーもあり親子連れが多く訪れる。これらのイベントが地域の外からも人を呼び、地域に新しい視点をもたらすことを期待している。

また現在、黄金町のアーティストの大半は副業で生活を成り立たせており、黄金町での仕事が夜に限られる。アーティストが様々なイベントを通じてステップアップし、芸術活動だけで食べていけるようになれば「昼間の街にアーティストがいる、より魅力的で賑わいのある街になる」と、同センターでは考えている。

これからの課題

黄金町エリアマネジメントセンターがこれから取り組むべき課題は大きく3つある。

第1は「目指すべき姿を明確にすること」だ。まんべんなくNPOがやろうとしている今の状況を改善し、「黄金町エリアマネジメントセンターにしかできないことを大切にしていきたい」と立石さん。

2つ目は「活動資金の調達」だ。現在、大部分を行政からの補助金に頼っているが、今後は自分たちでどうお金を作るかということが重要だ。

そして3つ目が「後継者不足」だ。黄金町エリアマネジメントセンターの理事を務めている方は60〜70代が中心で、若手が少ない。「いかに次世代の担い手を見つけ、引き継いでいくかも大きな課題」だという。

高校生に焦点をあてる

「ぜひみなさん、自分の住んでいる街のイベントに参加してください!」

立石沙織さんは呼びかけるように言った。次の世代を担う私たちが街の動きについて興味を持つことはとても大切だ。そのためにも町内掲示板やさまざまなイベント情報に、まず目を通してみるところから始めてみてはどうだろうか。

(取材・文:野坂麻衣)

寄附・活動についてのお問合せ

認定NPO法人黄金町エリアマネジメントセンター

事務局:〒231-0066
神奈川県横浜市中区日ノ出町2-158
電話:045-261-5467
FAX:045-325-7222
E-mail:info@koganecho.net
URL:http://www.koganecho.net/

野坂麻衣プロフィール

2001年生まれ。神奈川県相模原市出身。県立高校1年。特技:なわとび 好きなこと:サッカー

学外の活動を通じて、普段とは違う視点から物事を考えられるようになりたいと思い市民レポーターに参加しました。学校とは異なる価値観に触れて、自分の幅を広げていきたいです。