未来のために まずは私から知る・始めるエコ活動 認定NPO法人アクト川崎

賢い選択で楽しく省エネライフを

地球温暖化防止は世界共通の大きな目標になっている。川崎市内では、2016年5月に創立10周年を迎えた「認定NPO法人アクト川崎」が市民・事業所・学校・行政と連携し、地球温暖化防止に幅広く取り組んでいる。今回お話をうかがったのは同法人・事務局長の笹子まさえさん。もともと他の分野で仕事をしていたが、思いがけずアクト川崎と出会い、環境問題に関心が生まれて本格的に活動し始めたのが9年前のこと。川崎市内の環境保全や地球温暖化対策の推進をはじめ、環境・まちづくり分野の人材育成や活動支援に力を入れている。

活動の拠点は、川崎市地球温暖化防止活動推進センター(以下、センター)(川崎市高津区溝口1-4-1ノクティ2 11階 川崎市高津市民館内)。2010年に川崎市から指定を受け、このセンターの管理団体として、活動を企画し、さまざまなセクター間の連携をコーディネートしている。

センター内では、普及啓発を図る為の“CCかわさき交流コーナー”を設置し、環境関連図書貸し出しや、地球温暖化のプロセスや影響を説明するパネルが分かりやすく展示されている。

連携とパートナーシップ

エコロジーの心とエコノミーの心が共鳴して生まれたイラスト。 地球とお財布にやさしいエコ暮らしをあらわしている。

場の管理だけではなく、アウトリーチ活動も活発だ。

環境学習・環境教育の推進として、市内の小学校・中学校・高等学校からのリクエストに応じて、環境をテーマにした授業を「出前」している。

市から委嘱された推進員グループとセンターが連携して学習プログラムを作成し、年間30~40校程訪問している。パネルや実験を使い、分かりやすく工夫された授業内容は、生徒達も自然と興味が湧くように工夫を凝らしている。

夏休みには小学生向け自由研究講座も開催され、2016年には20講座に延べ760人の小学生が参加した。

2011年の東日本大震災に端を発した「節電」への取り組みには、地域へのアプローチが必須と考え、市内約650の町内会・自治会・マンションに「節電」の環境学習会を呼びかけた。翌年以降も、「節電・省エネ」、「地球温暖化」、「再生可能エネルギー」等、話題を増やしながら、現在も継続して開催している。

家庭のエコ化推進には、“うちエコ診断”を呼びかけている。このプログラムは、各家庭での年間エネルギー使用量や光熱費をもとに、地域特性やライフスタイルに応じたきめ細かな省エネ・二酸化炭素排出量の削減を提案する内容だ。

複数のメディアでも取り上げられ、環境省の調査結果では約70%の受診者から評価を得ている。CCかわさき交流コーナーでも診断を受け付けている他、WEB・FAX・郵送でも気軽に申し込める。

他ジャンルとのコラボレーションで仕掛けづくりを

環境問題の専門家であるアクト川崎の他のメンバーと違い、笹子さんはアクト川崎と出会う前は音楽のジャンルで活動していて、環境問題とはまったく関わりのないところで働いていた。

そもそも関心の薄い層の人たちには、環境問題の講演会やイベント等の内容を工夫しても、チラシを手に取ってもらうことすら難しい。「文化・スポーツ・趣味・防災・まちづくりなど、他ジャンルとのコラボレーションを通して、仕掛けを作って行きたい。一見、環境とは直接関係がないようなことも、つながりをつくるきっかけと考え、積極的にチャレンジしていきたい」と、笹子さん自身の経験をもとに柔軟な考えで企画を打ち出している。

楽しみながらエコを学ぶ かわさき環境フォーラム

自由研究発表会

環境フォーラムでの小学生の自由研究発表会

アクト川崎が主催している一大イベント“かわさき環境フォーラム” が2016年12月17日に高津市民館内で開催された。4回目の開催となった2016年のテーマは「楽しみながらエコを学ぶ~はじめようCOOL CHOICE(クール チョイス)」 。 クイズラリー、ごみ分別ゲーム、エコ工作教室、環境クイズ大会、エコドライブシュミレーション、エコクッキング等、年齢を問わず、誰でも楽しめる盛り沢山な内容だ。

小学生による自由研究発表会も開催されるとあって、市内の小学生も多く参加していた。実験で分かった「環境問題対策に有効的な日用品」について説明する小学生の発表に、集まっていた約100人の聴衆は、真剣な表情で聞き入った。

環境問題に答えるクイズラリーは、一番の盛り上がりを見せた。全問正解者には川崎の地場野菜がもらえるということもあり、参加者は前のめりになって問題に答え、会場は熱気に満ちていた。

環境フォーラムでのエコクッキングの様子。地産の小松菜を使った蒸しケーキ作り

環境フォーラムでのエコクッキングの様子。地産の小松菜を使った蒸しケーキ作り

この「かわさき環境フォーラム」は2017年12月16日にも開催される予定だ。

持続可能な開発目標 SDGsの実践

COOL CHOICEマーク「持続可能な開発目標」(SDGs)が2015年9月に国連総会で採択された。これは期限切れとなったミレニアム開発目標(MDGs)を継承・発展させたもので、MDGsが「開発途上国での目標を中心とした」のに対し、SDGsは「先進国での取り組みと責務」にも言及している。

内容は貧困・教育・環境・平和等の17の個別目標と、より詳細な169項目の達成基準からなる。これからのアクト川崎はこのSDGsも視野に入れながら、より良い「環境」「経済」「社会」を目指して、活動を続けていくことに向かっている。「専門性を生かして、国や市に提言していく(底辺を上げる)、関心の薄い層に、問題の所在を周知し目標達成について啓発する(底辺を広げる)」の両輪が今後更に必要になると笹子さんは考えている。アクト川崎と笹子さんの活動は、まさにこれからの社会全体をリードする取り組みといえる。

(取材・文:野地静香)

寄附・活動についてのお問合せ

事務局長 笹子まさえ氏

事務局長 笹子まさえ氏 以前は音楽の分野で活躍していた。 今後の環境問題での活動に注目が集まる。

認定NPO法人アクト川崎

〒213-0001 川崎市高津区溝口1-4-1 ノクティー2 11階 エレベーター前
TEL:044-813-1313
FAX:044-330-0319
MAIL:act-kawasaki-jm@nifty.com

川崎市地球温暖化防止活動推進センター
CCかわさき交流コーナー

2017年3月迄の開室時間
開室日: 火曜日~日曜日 9:30~17:30
休室日: 月曜日 但し第3月曜日が祝日の場合は、翌日も閉館

2017年4月からは開室時間が変わります。
開室日: 水曜日~日曜日 10:00~17:00
休室日: 月曜日 火曜日
MAIL:office@kwccca.com
URL:http://www.cckawasaki.jp/kwccca/

野地 静香(のぢ しずか)プロフィール

1982年神奈川県生まれ。就職後、仕事をしていく中で、相手の立場を考えて話すことの大切さを感じるようになり、休日を利用して東京アナウンスアカデミーに通い始める。卒業後はケーブルテレビの市民リポーターとして、地域に関わりながらさまざまな情報を伝えてきた。主婦となり、母親となった今、新たな視点で神奈川県の更なる活性化と、より広く情報を伝えて行くことを目標としている。