ネットワーク構築で、神奈川の農業を、地域を元気にしたい~NPO法人農家のこせがれネットワーク代表理事・宮治勇輔さん


 県の2012年度「多様な主体による交流促進事業」で、農業問題で個別に活動するNPO等に対し、交流会などで地域の農業関係者のネットワークをつくろうと事業を実施したNPO法人農家のこせがれネットワーク(東京都港区)。藤沢市出身・在住で、同法人代表理事の宮治勇輔さんに、同法人の活動や神奈川で展開している事業、これから目指すことなどについてうかがいました。

–「一次産業を かっこよくて・感動があって・稼げる3K産業に」をキャッチフレーズに、「農家のこせがれの帰農支援」をされていますね。
 日本の農業の担い手は年々高齢化しています。農林水産省によると2010年現在、平均年齢は65.8歳。一般企業での定年をはるかに超えている。若い農業者を増やすために、新規就農よりも「農家のこせがれ」が実家に帰り農業を始める方が、最短最速で日本の農業を変革できると考えています。農家のこせがれネットワークのミッションは、都心で働く農家のこせがれが会社を辞め、実家に戻って農業を始めてもらうこと。全国の若手農業者のネットワークづくりや、都心での農家とこせがれのためのプラットフォームづくりを行っています。

宮治さんご自身が「農家のこせがれ」ですね。2008年10月「農家のこせがれネットワーク」活動開始、09年8月に法人化。4年あまりの主な活動を教えてください。
 勤めていた会社を辞めて、養豚業を営む実家に戻ったのは2005年7月。農業は後継者不足と言われていますが、後継者が後を継ぎたくても継げない農業の仕組みそのものが問題なんだと気づきました。主な活動としては、毎週土曜に六本木で若手農家や新規就農者、都内にいるこせがれたちが、自慢の農作物や加工品、 おしゃれ雑貨などを販売する「ヒルズマルシェ」、全国各地の農家から旬の素材を直送で仕入れて提供するレストラン「六本木農園」や農業に力を入れる地方自治体のコンサルティング、若手農業者及び地域プロデューサー志望者向けの研修など、多岐にわたります。

県の「多様な主体による交流促進事業」では、どんなことに取り組んだのですか?

 神奈川の農業者と、地域の飲食店など他の産業をつなげるのがねらいです。純粋に「顔の見える関係」をつくりたいと思いました。ミーティングやワークショップを重ね、農業を基点としたネットワークづくりをしていく中で、地域を元気にするために活動しているさまざまな人と出会いました。そこから生まれたのが「湘南新みやげプロジェクト」です。湘南西湘地域の自信を持っておすすめできる逸品を地元の方に紹介するサイトを今春オープンする予定です。地元に既にあるものを発掘して、その地域に住む人に知ってもらいたいですね。

寄付や協力集めについては、どんな工夫をされていますか?
 サポーター制度を設けています。メールマガジン月2回配信、年次報告会への招待のほか、法人サポーターは当団体HPへのバナーリンク掲載もしています。都心にいるこせがれや生活者と農業の接点作りを定期的に行う事は団体として大きな負担となります。ただ、これをやめてしまっては私たちの存在意義がなくなります。そこをご理解いただき、応援してくださる個人の方や法人がサポーターとなってくださいます。私たちの想いに共感していただける方はぜひ、サポーターになっていただきたいです。

今後目指すこと、活動予定などを教えてください。

 4年間の活動は、都心における「場づくり」でした。「白書」のような形で、こせがれたちの動向などを調査してまとめていきたい。また2012年10月から12月に、横浜のmass×mass関内で開講した「食と農のプロデューサー養成講座」では、コーディネーターとして横浜、神奈川で活躍する先輩起業家を講師に迎え、受講生自らが実行するプランを作り上げていくプログラムを行い、好評でした。今後もネットワークを広げて、一次産業をかっこよくて・感動があって・稼げる3K産業にするための場づくりをしていきたいですね。

【宮治勇輔さん プロフィル】

1978年藤沢市生まれ。慶應義塾大学卒業後、株式会社パソナ入社。営業・企画・新規プロジェクトの立ち上げ、大阪勤務などを経て2005年退職。実家の養豚業を継ぎ、06年株式会社みやじ豚を設立し代表取締役に就任。農業プロデューサーとしてNPO法人湘南スタイルの運営に参画。茅ヶ崎市の食と農業のポータルサイト「おいしい茅ヶ崎」をプロデュースする。NPO法人農家のこせがれネットワークでは一次産業をかっこよくて・感動があって・稼げる3K産業にするため、こせがれの帰農支援他、新しい農業のかたちを模索する。農業支援NPOの代表として全国各地で講演する。著書に「湘南の風に吹かれて豚を売る」

【関連リンク】
▽NPO法人農家のこせがれネットワーク
http://kosegare.net/
▽NPO法人農家のこせがれネットワークが「企業とNPOのパートナーシップミーティングin 小田原」を県と共催~食と農業をテーマに参加者が交流(かなチャリ・NPOニュース 2012年7月12日)
http://kanachari.jp/blog/4236.html
▽平成24年度 新しい公共支援事業「多様な主体による交流促進事業」の実施事業(かなチャリ・お知らせ 2012年4月21日)
http://kanachari.jp/blog/3099.html