今、改めて寄付の役割が見直されています。〜東日本大震災では、日本人の75%から80%の人が寄付をした〜:鵜尾雅隆さん

 東日本大震災では、日本人の75%から80%の人が寄付をしたということをご存じでしょうか?

 未曾有の大災害を目にして、被災者のために、これだけの方が、「自分にできること」として寄付をされたのです。普通は、日本人の3人に1人くらいが寄付すると言われていますので、これは、大変な数字だと思います。

 一時期、配布の遅れが指摘された義援金も、既に9割以上が被災者の方に配分され、3,000億円を超えました。NPO(民間の慈善団体)への寄付も数百億円にいたり、被災地での支援物資や遺児の育英資金などに活かされています。みなさんお一人お一人の寄付が、どれだけの方に勇気を与えたか分かりません。

 今、改めて寄付の役割が見直されています。

 これまで、「どう活かされているか良く分からない」「どこに寄付をしたらいいか良くわからない」という声の多かった寄付ですが、しっかりと寄付者の想いを活かし、使い途を報告するNPOも増えてきました。神奈川県内でも、子どもたちのため、高齢者のため、障害者のためなど、行政だけでは手の届きにくいきめの細かい支援を行う活動がたくさん生まれています。

 ボランティアと寄付は、個人のできる社会貢献の両輪です。ボランティアは「自ら、誰かのために、何かをすること」。寄付は、「誰かを信じて、託すこと」。寄付をする人たちが増える社会って、「お互いを信じて、託し合う社会」であるように思います。

 子どもたちが、「社会のためにチャレンジしたら、誰かが応援してくれる」ということを信じれる社会。未来の社会が良くなることを信じれる社会。寄付のチカラが生み出す社会です。

<プロフィール>
鵜尾雅隆(うお まさたか)

NPO法人日本ファンドレイジング協会 常務理事
株式会社ファンドレックス 代表取締役

国際協力機構(JICA)での国際協力経験やNPO(民間非営利組織)の理事などを経て、「善意の資金が循環する社会」を目指して、2008年にNPOの経営支援を専門とする株式会社ファンドレックス創業。2009年に、「2020年寄付10兆円時代の実現」を目指して日本ファンドレイジング協会(代表:堀田力)を設立。内閣府「新しい公共」専門部会委員、国土交通省「コミュニティファンド支援制度検討委員会」委員など。著書「寄付白書2010」「ファンドレイジングが社会を変える」など

<関連リンク>
NPO法人日本ファンドレイジング協会 常務理事
http://jfra.jp/
株式会社ファンドレックス 代表取締役
http://www.fundrex.co.jp/