「寄付」というのはとても大事な物差しだと思います〜茅ヶ崎の市民活動の現場から

茅ヶ崎市で30年以上、ボランティアや自治体活動に精力的に取り組んでこられたNPO法人NPOサポートちがさきの代表の益永律子さん。色々な縁や「つながり」で、茅ヶ崎市内外の活動に、大変忙しい日々を送っておられます。地域活動の「プロ」とも言える益永律子さんに、自身の経験や今後のNPOのあり方などについて伺いました。


-NPO法人に関わるようになったきっかけを教えて下さい。

今から33年前に都内から茅ヶ崎市へ引越してきました。当時は子育て中で、近くの公園とマーケットに行くくらいで、行動範囲が限られていました。そんな矢先、遠くの公民館で開催されていた子育て講座に参加して、地域で活動している元気な人たちに出合い、学ぶことの楽しさにめざめました。その後、しばらくはとりつかれたように通うようになりました。講座に託児があったことも魅力でした。そこで出会った仲間と意気投合して、身近な地元で子育てサークルを作りました。市の委託学習の制度を利用して講座も自分たちで企画しました。その頃から考えると地域活動には30年以上関わってきていますね。

子育てが一段落したら、福祉問題にも関心を持つようになり、民生委員を引き受けて初めて担当したのが、精神障がいを持つ方でした。その関係で地域作業所の運営にも関わることになりました。

15年前、まちづくりの活動として「まち景まち観フォーラム・茅ヶ崎」も立ち上げました。きっかけは自転車であふれていた駅前の景観をもっと良くしたいと思ったからです。同じくらいの時期に市民参加と市民活動を推進するための検討会に参加して、サポートセンターのような活動の拠点が欲しいと思い、茅ヶ崎市に提言をしたりもしました。


-「ちがさき市民活動サポートセンター」に関わったきっかけは?

 茅ヶ崎市が9年前に、市民活動サポートセンターの運営ボランティア募集に応募した人たちで団体をつくり事務局長に就任しました。募集から3~4ヶ月でオープンを迎えましたが、予想以上にセンターを「運営すること」は大変でした。

▽ちがさき市民活動サポートセンター
http://sapocen.net/


-運営していく上で苦労したことは?

運営する最初の2~3年は役所とのやり取りに緊張感があり苦労しました。単なる下請けのような存在であったり、公の施設なのにボランティアでと言われて、対等なパートナーではなかったですね。気がつくごとに提案や意見交換をしていく内に、市とも良好な関係になっていきました。


-2年前に地域の方との交流を目的とした「コミュニティカフェゆめたい」をオープンしたそうですが?

ビジネスの手法も取り入れながら、地域の方々が集まることができるコミュニティスペースを作ろうと、「コミュニティカフェゆめたい」で小箱ショップの運営を始めました。事業のモデルとなったのは、港南台にあるタウンカフェ。都内にある福祉ベンチャーパートナーズが運営している「たいやき屋」をモデルに障がい者が、最低賃金を保障されながら働ける(就労継続支援A型)フランチャイズの「たいやき屋さん」に小箱ショップが併設されています。

きっかけはサポートセンターの事業の「ばりあふりーカフェ」。「障がいがあってもまちのなかで普通に暮らす」をテーマに、普通に仕事をしたいという願いをかなえて、就労が難しい若者(引きこもりやニート)の方々も含めて、地域就労が出来ればという思いがありました。
現状は、コミュニケーションの場としての役割はかなり達成が出来ています。

▽Blog Cafe ゆめたい(コミュニティカフェゆめたい)
http://blog.canpan.info/yumetai/


-最近のサポートセンターの様子はどうでしょうか?

最近茅ヶ崎では、小さなグループの主催による自主映画の上映会が増えましたね。この一連の動きは、20~30代の若い人達が中心となっていることが多いです。サポートセンターでの「茅ヶ崎維新カフェ」の時も、初めて訪れた人が20人以上いて、若い方達も結構足を運んでくれました。こういうことをきっかけに緩やかなつながりが生まれると嬉しいです。


-「かながわ寄付をすすめる委員会」の委員にもなっているそうですが?

「寄付」はただ単にお金の問題だけではないと思っています。NPOは社会に必要とされることを自分達のやり方で実現していくことが存在意義。でも、思いが先走ってしまい、どうやって活動を続けていけるかということを、考える余裕のない団体も見受けられます。多くの人から信頼され、共感を得られるように、独りよがりではなく、社会に応えていくために「寄付」というのは、とても大事な物差しになると思います。「寄付」は、活動のあり方を見直す一つのきっかけとも考えられます。

お金のことを言うのはタブーという風潮、無償の美学という概念が余裕のある年配の方に多いのは事実です。ですが、責任をもって活動を継続し、役割を果たしていくためには、組織運営のスキルアップが必要で、資金調達が大切になってきます。

▽かながわ寄付をすすめる委員会の概要(神奈川県)
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f7763/p321674.html


-NPOの情報発信のあり方はどうあるべきだと思いますか?

多くの方にNPOの社会にとっての価値を積極的に伝えて、団体を応援するという意味での「寄付」が集まるようにしていく活動が必要だと思います。

また、特に若い人たちの参加が必要だと感じています。そのためにも、NPOの団体自体のアピールがより重要になってくると思います。NPOのうさんくささを払拭して、身近な存在として多様なNPOの活動の価値を知っていただき、NPOの活動を全体的に活性化させていきたいです。

実現のためには、ホームページをはじめとする情報発信のツールを大いに利用していくことも大事です。団体の紹介や活動内容の告知を積極的にしていくことによって、より多くの支援者をみつけたり、共感をたくさん得ることが出来ると思います。

-ありがとうございました

◆益永律子さんプロフィール


1948年、神戸市生まれ。NPO法人NPOサポートちがさき事務局長・代表理事を兼務。まち景まち観フォーラム・茅ケ崎代表、コミュニティカフェゆめたい代表。茅ヶ崎市行政改革推進委員会委員、茅ヶ崎市温暖化対策推進協議会委員、大和市市民活動補助金選考委員、神奈川新聞社社外委員。Team Aid for Japanしょうなん茅ヶ崎災害ボランティア(タージ)会員。困ったら助けてくれる人が現れる運のよさを信じて好奇心と楽観主義で日々是好日。

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